製薬知財部員のブログ

主に特許権の延長登録について情報をまとめています

ゾスパタ錠

2020.02.04登録査定(2018-7004562018-700457

(以下は2020.03.29現在の情報です)

 

医薬品名:

ゾスパタ錠

(ギルテリチニブフマル酸塩)

再審査期間: 10 年間:2018 年 9 月 21 日~2028 年 9 月 20 日(希少疾病用医薬品)

 

特許権者・延長登録出願人:

アステラス製薬株式会社、壽製薬株式会社

 

延長出願:

2018-700456(特許番号:5364159

延長期間 5年

用途 再発又は難治性のFLT3遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病

 

2018-700457(特許番号:6132294

延長期間 1年4月23日

用途 再発又は難治性のFLT3遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病

 

特許番号:

JP 5364159 B2

延長前の特許満了日:2030.5.6

請求項1:

  式(I)の化合物又はその塩:
【化1】 

000232

 [式中
  -X-:式(II)
【化2】

000233

 の基
  A:クロロ、エチル又はイソプロピル
  R14位の炭素が-W-Y-Zで置換されており、3位の炭素がハロゲン、R00及び-O-R00からなる群より選択される基で置換されていてもよいフェニル;
  R00:それぞれ1以上のハロゲンで置換されていてもよい低級アルキル;
  -W-:結合、ピペリジン-1,4-ジイル、又はピペラジン-1,4-ジイル;
  -Y-:結合
  Z:1以上のR00で置換されていてもよい非芳香族へテロ環;
  R2:(1)-N(低級アルキル)2、低級アルキル、-COO-低級アルキル、-OH、-COOH、-CONH-RZB、及びモルホリニルからなる群より選択される1以上の基で置換されていてもよいシクロアルキル、又は、(2)低級アルキル、-CO-低級アルキル、オキソ、-CO-RZB、及びベンジルからなる群より選択される1以上の基で置換されていてもよい非芳香族ヘテロ
  RZB:ハロゲン及び-O-低級アルキルからなる群より選択される基で置換されていてもよいフェニル
  R3:-H]。

 

JP 6132294 B2

延長前の特許満了日:2036.7.1

請求項1:

6−エチル−3−({3−メトキシ−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]フェニル}アミノ)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ピラジン−2−カルボキサミドのヘミフマル酸塩、及びD−マンニトールを含み、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップから選択される、安定な経口投与用医薬組成物。

 

 

審判・裁判事件:

なし

 

関連する延長登録出願:

なし

 

その他(製品情報など):

 急性骨髄性白血病(Acute Myeloid Leukemia: AML)は血液と骨髄に影響を及ぼすがんであり、加齢とともに患者数が増加します。日本では毎年約5,500人が新たにAMLと診断されています。また、AML患者の約30%でがん細胞の増殖に関与する受容体型チロシンキナーゼであるFLT3というタンパク質の変異が認められると報告されています。

 ゾスパタ®錠は、FLT3 の活性化変異である、遺伝子内縦列重複変異(Internal Tandem Duplication: ITD)、チロシンキナーゼドメイン変異(Tyrosine Kinase Domain: TKD)のいずれの変異に対しても阻害活性を示すことで、変異を有する腫瘍細胞の増殖を抑制すると考えられています。

 ギルテリチニブフマル酸塩は、2015年10月に日本において「初回再発又は治療抵抗性のFLT3遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病」で先駆け審査指定制度*2の対象品目として指定を受け、2018年9月に国際共同第III相試験(ADMIRAL試験)の中間解析におけるCR/CRh率*3の結果に基づき,「再発又は難治性のFLT3遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病」を効能・効果として承認を取得しました。また、米国においても2018年11月28日(現地時間)に同様の適応症で承認を取得しています。

アステラス製薬 2018.12.03